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輪島の匠
〜およねのつぶやき能登輪島訪問編〜
およねは、震災・水害後初めて輪島に行き、漆の匠たちを訪ねました。(撮影:山下三千夫 2024年11月6日~7日)
塗師 中田文夫
漆器の要(かなめ)は漆塗り。チームしばたの花形は中田文夫さん。樹液から作る各種の漆を使い分け、刷毛を扱い、湿度や温度を見極めて環境を整え、塗面を仕上げます。今は水道から水は出なくなってしまったが、長年住み慣れた家も愛用してきた道具も無事だった。手が覚えた技術は確か。まだまだやれることが嬉しいと仕事への熱い思いを聞かせてくださいました。
金継ぎ 垣内清二
漆芸しばたには陶磁器の修理すなわち金継ぎのご依頼をいただきます。これを引き受けるのが垣内清二さん。割れや欠けを漆で繕い、蒔絵の技により金で仕上げます。家屋や水道が壊れたものの、仕事は難しければ難しいほどワクワクするという前向きな思いはぶれません。およねは、11ピースに割れてしまった陶器の茶碗が垣内さんの手で見事に蘇ったとき本当に感動したことを思い出しました。
木地師 酒井博文
漆器の塗面がどんなに美しくても、土台である木地が確かでなければ無価値です。米谷木工所の酒井博文さんは、自宅は半壊し、家族で工房の2階に住んでいる状態ですが、木地がなければ何も始まらないとの信念は揺るぎません。およねは、一点ずつオーダーで作る木箱を作品の保護だけでなく、作品の一部として作られているのだなと仕事をする姿を見て思いました。
呂色 風当一馬
およねのお肌はお年のせいか乾燥しがち。漆塗りも時が経つとキズがついたり、曇ってきたりします。それをもとの輝きに戻すのが呂色仕上げ。風当一馬さんは、何種類もの研磨材とやすりを使って研ぐ、研ぐ、ひたすら研ぎます。蒔絵を残しながらの仕上げは特に熟練を要する作業です。呂色仕上げを終えると、漆器はその歴史を未来へ伝える新たな艶を纏います。
蒔絵師 丹保 弘
絢爛な輪島塗の象徴と言えば繊細で艶やかな蒔絵。塗面に漆で図柄を描き、金、銀などの金属粉や色粉を蒔いて定着させます。今は輪島からは離れている丹保弘さんですが、お客様と好みの図柄を相談しながらデザインし蒔絵を作り上げ、皆がその卓越したセンスに魅せられることは変わりません。およねはその仕上がりに感嘆。蒔絵してもらって良かったねとそっと漆器に語りかけるのです。
総合 寺島丈雄
漆器を新調する時も修理の時も、しばたチームの中心は寺島丈雄さん。制作の段取りや、修理の割り振りなどに奔走しながら、塗りや蒔絵などもこなします。工房は全壊し、慣れない仮の工房で仕事を継続中。動画は次の機会に。
およねは、災害後も輪島塗をつくる匠たちに漆や生き方についてを教えられたのでした。